「見ていると削れない」
〜CNCの前で誰もが味わう、あの不思議な時間〜
有限会社溝口製作所
代表取締役 溝口 敬悟
2025年11月
残り時間5分の表示をじーっと見ていると、
なぜか5分が50分にも感じる……。
なぜか5分が50分にも感じる……。
でも、ちょっと席を外して戻ってくると「あれ、もう終わってる!?」となる。
これ、うちの工場でも毎日のように聞こえる会話です(笑)
これは「監視鍋現象」
英語では “A watched pot never boils” —— 「見ている鍋は沸かない」と言います。
待てば待つほど時間が長く感じる、人類共通の心理現象です。
CNC工作機械の前ほど、この現象が強く出る場所はそうそうありません。
なぜCNCの前だとあんなに長く感じるのか
- スピンドルと送りの音がずっと同じリズムで続く
- 「今工具が折れたら…」「寸法がズレたら…」という緊張感
- 画面の残り時間表示を無意識に凝視してしまう
まるで電子レンジの残り10秒を見ているときと同じ感覚ですよね。
誰もが経験する、あの「永遠に終わらない時間」です。
でも、ちょっと離れると……
次のワークを準備していたり、コーヒーを淹れに行ったりしている間に、
ふと戻ると「もうブロック完了してる!?」
機械はいつもと同じ速度で動いているのに、
私たちの体感時間だけが大きく歪んでいる——
これもまた、工場で働く者みんなが共有している不思議な体験です。
最後に
「見ていると削れない」
これは冗談半分、本気半分の工場あるあるですが、
きっと全国の工場で、今この瞬間も誰かが同じことを思っているはずです。
あなたも、今日もきっとその一人ですね。
同じ時間を過ごしている仲間が、きっとどこかにいますよ。















