僕らの子供のころ、科学技術が発達してロボットが何でもやってくれるので人間は少ししか働かなくてよくなる、なんていう想像をしていました。

農業、金属加工、事務作業――科学技術の進歩により、あらゆる分野の生産性が戦前と比べて飛躍的に向上しました。しかし、なぜ私たちの労働時間は減らず、忙しい日々が続くのでしょうか？愛知県丹羽郡扶桑町で金属加工を専門とする有限会社溝口製作所が、製造業の視点からこの疑問を解き明かします。技術の進化と働き方の関係を、一緒に考えてみましょう。

1. 農業の生産性：戦前の10倍以上に

戦前と比べ、農業の生産性は約10倍に向上しました（推定値）。その要因は次の通り：

  • 品種改良: 高収量で病気や気候に強い作物により、収穫量が大幅に増加。
  • 化学肥料: 窒素やリン酸肥料の普及で、土壌の生産力が向上。
  • 農業機械: トラクターやコンバインの導入で、手作業中心だった農作業が効率化。

例えば、戦前の稲作では1ヘクタールあたり2～3トンの収穫が一般的でしたが、現代では機械化と改良品種により10トン以上が可能に。少ない労働力で大量の食糧を生産し、食糧供給の安定化に貢献しています。

2. 金属加工の生産性：戦前の20倍以上に

金属加工の分野でも、生産性は戦前と比べて約20倍に飛躍しました（推定値）。溝口製作所が得意とする精密加工の現場でも、この変化を実感しています。主な要因は：

  • CNC（Computer Numerical Control）: 手作業だった切削や穴あけが自動化され、精度と速度が向上。溝口製作所ではCNCを活用し、複雑な挟範を短時間で高精度に製作。
  • 超硬工具: タングステンカーバイドなどの新素材で、工具の耐久性が上がり、連続加工が可能に。
  • ロボット技術: 自動化ラインの導入で、部品の搬送や組み立てが迅速化。

戦前の職人作業では1日数個の部品しか作れませんでしたが、現代ではCNCとロボットで数百個の生産が可能。溝口製作所もロボットは導入していませんが、これらの技術で顧客の厳しい要求に応えています。

3. 事務作業の効率：戦前の15倍以上に

事務作業の効率も、技術革新により戦前と比べて約15倍に向上しました（推定値）。かつては手書き、そろばん、電話に頼っていた事務作業が、以下により劇的に変化：

  • PCの普及: 文書作成やデータ管理がデジタル化され、手書きの書類作成や計算が不要に。
  • スマホ・通信機器: メールやクラウドツールで、場所や時間を選ばず情報共有が可能。
  • 各種アプリ: 表計算ソフト（Excel）、会計ソフト、プロジェクト管理ツール（例: Trello、Slack）の導入で、作業が効率化。

例えば、戦前の手書き帳簿や電話連絡では1日の処理件数が限られていましたが、現代ではPCとアプリで請求書作成や顧客管理が数分で完了。溝口製作所でも、受注管理や納期調整をクラウドツールで効率化し、顧客対応のスピードを上げています。

4. なぜ労働時間は減らないのか？

農業、金属加工、事務作業の生産性が劇的に向上したのに、なぜ私たちは忙しいままなのでしょうか？いくつかの理由を考察します。

4-1. 資本家の欲？

生産性向上の恩恵が、必ずしも労働時間の短縮に繋がらない場合があります。企業は利益追求のため、増えた生産能力を新製品開発や市場拡大に投資。例えば、金属加工では短納期のカスタムオーダーが増え、従業員に新たな業務が追加されます。

しかし、溝口製作所では「効率化で生まれた時間を技術研鑽や顧客対応に活用し、品質と信頼を重視」。利益だけでなく、持続可能なものづくりを目指しています。

4-2. 生産性が増えた分だけ人を減らすから？

自動化やツールの導入で単純作業の必要人数が減り、企業は人員削減を選択する場合があります。残った従業員は、CNCのプログラミングやデータ分析など高度な業務を担当。これが新たな忙しさの原因に。

溝口製作所では、自動化を進めつつ従業員のスキルアップを支援。CNC操作やクラウドツールの習得により、忙しさは「単なる労働」から「創造的な挑戦」に変わっています。

4-3. その他の理由

  • 消費社会の拡大: 生産性向上で製品やサービスが安価になり、需要が増加。企業は新たなニーズに応えるため、多様な業務を従業員に求める。
  • 仕事の複雑化: 単純作業は減ったが、品質管理やデータ分析など複雑な業務が増加。例: 溝口製作所では、CNCのプログラム設定や顧客ごとの仕様調整に新たなスキルが必要。
  • 働き方の変化: スマホやリモートワークの普及で、仕事とプライベートの境界が曖昧に。労働時間は減っていないが、柔軟な働き方が増加。
  • 社会の期待: 「忙しさ」がステータスとされる文化や、競争意識が労働時間を増やす。

まとめと行動喚起

農業、金属加工、事務作業の生産性が戦前の10～20倍に向上したのに、労働時間は新たな業務や社会の変化で減っていません。有限会社溝口製作所では、CNCやクラウドツールを活用し、効率化とスキルアップで働きがいを高めています。私たちの技術やものづくりへの情熱に興味があれば、ぜひお問い合わせを！愛知県丹羽郡扶桑町から、製造業の未来を一緒に創りましょう！