ホルムズ海峡封鎖は本当に「対岸の火事」なのでしょうか
――製造業の現場で既に起きていることについて
最近、商工会議所の場で、士業の方やオフィスワークを中心とされている知り合いの方々と
お話しする機会が何度かございました。
その際、ホルムズ海峡封鎖の影響について話題にしてみたのですが、
「特に影響は感じていない」「今のところ仕事には支障が出ていない」
というご意見を伺うことが多くありました。
書類作業やコンサルティング、事務業務が中心の業種においては、
エネルギーや物流の混乱が、すぐに日常業務へ影響として現れにくい面もあるのだと思います。
一方で、製造業、とりわけ素材や油脂、化学製品、物流に近い分野では、
少し様子が異なっているように感じております。
大きく報道されることはあまり多くありませんが、
製造現場では既にさまざまな変化が起きておりますので、
ここに記録としてまとめておきたいと思います。
建築関係の方から伺ったお話
- シンナー不足により、塗装作業が行えない現場が出てきている
- 防水関連の材料が十分に確保できない状況がある
塗装や防水は工事の終盤に行われる工程ですが、
ここが止まってしまうと現場全体の進行に影響が及びます。
単なるコスト上昇ではなく、「必要なものが手に入らない」という状況が
既に発生していると感じられます。
自動車整備業でのお話
自動車整備関係では、これまで200リットルのドラム缶で購入していたエンジンオイルが、
現在はペール缶でしか販売してもらえなくなった、というお話を伺いました。
一方で、トヨタの販売店に問い合わせたところ、
「当店では在庫があります」との回答だったそうです。
大手企業では調達が可能であっても、
中小事業者では影響を受けやすい状況にあるのかもしれません。
切削加工業の現場における影響
弊社は切削加工業を営んでおりますが、
当社の現場でも既に具体的な影響が出始めております。
塗料不足による対応
これまで鉄鋼材の材種を区別するために行っていた識別用の塗装を、
やむを得ず廃止することとなりました。
これは作業効率や安全面においても、注意が必要な対応であると認識しております。
油脂類の調達が困難になっています
- 油圧作動油
- 摺動面潤滑油
- タッピングオイル
価格の問題というよりも、
そもそも入荷の見通しが立たない、販売自体が停止しているといったケースがあり、
現場の運用に影響が出ております。
梱包資材の不足
- PPバンド
- 大型のラップフィルム
製品が完成しても、梱包資材がなければ出荷ができません。
物流や包装の停滞は、工場全体の稼働にも影響を及ぼします。
今後について
現在は在庫の活用や代替品で何とか対応している状況ですが、
この状態が今後1〜2か月続いた場合、
受注制限や納期の長期化など、目に見えにくい形での影響が
広がっていく可能性もあるのではないかと感じております。
見えにくいところから広がる影響
ホルムズ海峡封鎖の影響は、
燃料価格などの分かりやすい形だけでなく、
油脂、溶剤、樹脂、包装資材といった
日常的に使われている消耗品から先に現れているように思われます。
オフィスからは見えにくい部分ではありますが、
製造業の現場では確実に変化が始まっております。
本稿が、その一つの記録となれば幸いです。















