経営者が「うまい話」に遭遇したときの鉄板フレーズ
「そんなに儲かるなら、自分だけでやればいいじゃないか。俺ならそうするよ」

経営者をやっていると、さまざまな「うまい話」が舞い込んできます。投資案件、事業提携、新規ビジネスの誘い……どれも「絶対に儲かる」「今がチャンス」と熱く語られることが多いですよね。

そんなとき、私はいつも決まってこう言います。

「そんなに儲かるなら、誰にも言わずに自分だけでやればいいじゃないか。俺ならそうするよ」

この一言、実は非常に有効なフィルターになります。なぜなら、本当に儲かる話なら、普通は他人に教えないからです。自分で設備なり人員なりに投資して、自分で儲ければいいのです。

私はね、そんなうまい話あるかいな、っていうセミナー受けるのは嫌いじゃないですよ。はい。

なぜこのフレーズが有効なのか?

結構良いものを身に着けていて、やたらと慣れた感じで口滑らかなひとって怪しい気がする、と思うのは私だけでしょうか。

  • 詐欺や怪しい話を見抜ける
    世の中の「うまい儲け話」の99%は、残念ながら怪しいか詐欺まがいです。本当に確実に儲かるなら、提案者はリスクを分散させる必要がない限り、他人に共有しません。資金が必要だから共有する、という言い訳は一見もっともらしく聞こえますが、銀行融資やベンチャーキャピタルなど他の選択肢があるはずです。わざわざあなたに声をかけてくるのは、相手があなたのお金を狙っている可能性が極めて高いのです。
  • 相手の反応で本質がわかる
    この一言を投げかけると、相手は動揺したり、強引に押し通そうとしたりします。本物のビジネスパーソンであれば、「資金規模が大きいからパートナーが必要」「シナジーが生まれる」「win-winの関係」など、論理的で具体的な理由を返してくるはずです。曖昧に誤魔化したり、感情的に反論してきたら——ほぼアウトです。
  • 交渉の主導権を握れる
    経営者に必要なのは「疑う力」。このフレーズは相手を防御に回らせ、あなたが優位に立てる心理的なジャブになります。投資詐欺の被害者に共通するのは「ラクして儲けたい」という心理ですが、それを逆手に取るのは賢い防衛策です。

言い方のポイント:角を立てず、効果的に

そこのお嬢さん、あんまりストレートに言っちゃダメですよ。

ストレートに言うと関係が切れるリスクがあるので、柔らかく言うのがおすすめです。

  • 「本当にそんなにいい話なら、なぜ俺に声をかけてくれるんですか? 自分だけでやった方が儲かるんじゃないですか?(笑)」
  • 「俺なら独り占めしちゃうけどなあ。どんなメリットで共有してくれるの?」

笑顔や軽いトーンで言えば、相手の本音を引き出しつつ、人間関係を壊しにくいです。

本物の機会を逃さないために

もちろん、稀に本当に共有したい良案件もあります(例:大規模プロジェクトで貴社のノウハウ、資金や特別な技術力、ネットワークが必要な場合)。だからこそ、完全に拒否するのではなく、相手の説明をしっかり聞き、デューデリジェンス(詳細調査)は必ず行いましょう。
サギではなく真剣なプロジェクトならば、少なくとも資金規模、事業日程、必要人員、なぜウチに話が来たか、などは即座に回答できるはずです。

おまえ、デューデリジェンスって言いたいだけやろ、と突っ込みたくなる人いますよね。

経営者としての心得

本当に儲かる話は、向こうから「お願いします」と来るものではなく、自分で探す・作るものです。「うまい話」に飛びつくより、健全な疑い(healthy skepticism)を持って判断する——これが、長く生き残る経営者の共通点です。

ウォーレン・バフェットも「あまりにも良すぎる話は疑え」と言っているようなものです。

ぜひこの一言を武器にしてみてください。守りながら、本物のチャンスを見極められるようになります。

経営者の日常に、少しでもお役に立てれば幸いです。2025年12月29日